ホークスと私の物語
〜門田博光から小久保裕紀まで、30年以上の遠回り愛〜
自分は横浜生まれの横浜育ち。生まれたのはまだ移転前の「けいゆう病院」。
小学生の頃には京浜東北線でポンセ選手に遭遇したこともあります。
普通なら、そのまま大洋ホエールズ(→現DeNAベイスターズ)ファンになるはずでした。
でも、人生の球筋は時に意外な方向へ曲がっていくものです。
川崎球場とファミスタがすべての始まり
当時の川崎球場は、今では語り草。ロッテオリオンズの本拠地。
試合中に客が 流しそうめん
スタンドで 子どもがキャッチボール
カップルは試合そっちのけ(それ以上は語らない、語れない)
子ども心に「これほど洗練されていない球場、あるんだ…」と妙な感動を覚えました。
そして、1986年発売の野球ゲーム 『ファミリースタジアム』 が運命を変えることになります。
やたら打つ「レイルウェイズ」というチームの代打要員 “かどた”。
出すたびホームラン。面白すぎる。
「この“かどた”って誰だ?」
そう思って本屋で選手名鑑をめくったら、南海ホークス・門田博光という名前が飛び込んできた——
ネットも動画もない時代、本屋の衝撃は忘れられません。
そして川崎球場に南海ホークス戦を観に行き、リアル門田を見た瞬間さらに衝撃。
身長170cm。大きくはない。
なのに、腰をねじり切って バチン! とフルスイングする姿。
白×濃緑の南海ユニフォームの渋さ。
1987年、私はホークスファンになりました。
1999年、涙を流した夜
ダイエーになり数年後、弱小ホークスにまさかまさか王貞治氏の監督就任。私の中ではスターだった佐々木誠、エース村田勝喜をトレードに出して秋山幸二の獲得。王監督のもとで再建が進み、ついに訪れた1999年の初優勝。テレビ東京の中継にかじりつきながら、
小久保の同点2ラン → 絶叫。
井口の逆転ホームラン → 涙。
最終回、ペドラザと城島、そして王監督の抱擁 → 阿鼻叫喚。
いま思い出しても胸が熱くなります。私の中でホークス史上最高の瞬間です。
工藤ホークスの巨人粉砕は“通過点”
その後、秋山監督が扉を開き、工藤監督がホークス黄金期を加速させました。
多くの名勝負、感動を与えてくれましたが、特に印象的なのが、巨人を2年連続で4タテで日本一になったシリーズです。
正直、パ・リーグファンとしては、「巨人をフルボッコにしてこそ溜飲が下がる」という感覚があります(おそらく、賛同いただけるかと・・・)。
そして藤本監督が若手育成の橋渡しをし、時代は小久保裕紀へ。
2024年 —— DeNAに打ち込まれた、苦い夜
2024年の日本シリーズ。相手は横浜DeNAベイスターズ。
これでもかと打ち込まれ、正直、悔しすぎた(負け惜しみですが、あの時、藤井も松本裕樹も杉山もいなかった。)
夜中のニュースを見るたび胃がキリキリする、あの一週間。
でも振り返れば、あの苦い経験こそ 小久保監督が変わるきっかけ だったと思っています。
2025年 —— 離脱者続出でも崩れない理由
2025年はケガ人祭り。次々と離脱者が出る異例のシーズン。
普通の球団なら崩壊してもおかしくないのに、ホークスは踏みとどまる。
なぜか?
「ホークスは金満だから」「補強が派手だから」
よく言われますが、それは 半分正しいけれど、半分は完全に間違いです。
最近ではさらにもう一つ、“便利な説明”が使われます。
「選手層が厚いから勝てる」
特にセ・リーグ系解説者がよく言うやつです。巨人を4タテした2年連続日本一の時も、必ず「層の厚さ」が勝因として挙げられる。でもファンとしては、それだけで片付けられるのが、本当に嘆かわしい。
“層が厚い”は結果であって、原因ではない
ホークスの強さは偶然できたものではない。
勝つための “仕組みづくり” をソフトバンクになって以降、積み上げてきた成果です。
3軍制(4軍)
専属トレーナーとデータ班の連携
動作解析・リハビリの標準化
栄養・メンタルケア
2軍・3軍の「共通戦術」
FA補強と育成の両立
“育てて勝つ”文化の継承
これは 金では買えない「組織力」 です。普通の球団は「勝つ方法」を毎年模索し直す。
でもホークスは「勝利を継続する仕組み」を作っています。
だから 層が厚くなるのは“結果”であって、“原因”ではありません。
これ、もっと語られてほしいと思います。
ホークスを30年以上見てきて、今はこれを言いたい
ホークスは「組織で勝つチーム」です。
痛みを知って、悔しさをシステム改善に変えて、勝利を継続性に落とし込む。
南海、ダイエー、ソフトバンク。ユニフォームも街も時代も変わっていくけれど、
“王イズム”という哲学は、継続という形で積み重ねられてきました。
そして今、小久保裕紀監督がその上に新しい時代を築こうとしています。
1999年、小久保の同点2ランに叫んだ少年が、今は小久保監督の采配に一喜一憂している。
この感慨、何ものにも代えがたいです。これからもホークスとの物語は続くでしょう。










