院長コラム

テレビCMでよく見るアレは効くの?

CMで見かけない日がないくらい宣伝されているアレ、本当に効果があるのでしょうか?アレ、とは「コンドロイチン」のことです。外来でよく聞かれる質問です。関節軟骨について、構造の話を知っておくとわかりやすいと思います。

しかし、関節軟骨の構造についての話は少々難しく、眠くなりがち(!)なので、興味のある方だけ読んでみてください。「結果だけ知りたい!!」という方は、そのまま読んでください。

では、本題に戻りましょう。
結論から言うと、「効能は期待できません」です。

では、なぜあれほどまでにCM等で宣伝されているのでしょうか。医薬品として売られているのだから、効果があるのだろうし、どうして?と思うのはまっとうな疑問です。しかし、通常の外来で変形性関節症の患者さんにコンドロイチンを処方することはありません。

なぜなら、コンドロイチンは「医薬品的効能効果を標榜しない限り、医薬品と判断しない原材料」という扱いになっており、医薬品としても最も安全な第3類(コンビニで売れる薬剤=平たく言えば、大量摂取しても問題が起きにくい薬剤)と認定されています。国としては、一度医薬品として認定してしまった手前、簡単に取り消しはできないという大人の事情があります。

まったく効果がない、あるいは人体に有害であるなどと立証できれば取り下げもされるのでしょうが、一部の有効例(個人の感想?)もあり、そもそも人畜無害な成分なので、非常にグレーゾーンとして医薬品成分として残っているというのが実情です。

CMなどでは、「学会で数々の紹介を受けました!」という紹介もされていますが、その認めた学会とはなんなのでしょうか?

本来の「学会」(日本整形外科学会とか日本内科学会など)は、100人以上の博士や医師などの専門家がいるといった基準を満たした上で、国の日本学術会議に申請をして認可された学会です。

しかし、ウェブで検索すると聞いたこともないような学会を目にすることがあります。

それはなぜかというと、現在の日本の法律では、別に学会と勝手に名乗っても罰せられることはないのです。なので、私が今日から「福岡ソフトバンクホークスを生暖かく見守る学会」や「〆鯖をおいしく作る学会」なんかを勝手に立ち上げることができます。

経済的な体力のある企業の多くはサプリメントビジネスに乗り出しており、独自にサプリメント学会をつくっています。そこで論文として提出させれば、学会で成果が発表されたという実績を積み重ねることができるのです。

関節軟骨自体には、血管・リンパ管・神経は存在せず、ヒアルロン酸と糖タンパクを豊富に含む滑液によって栄養されているという事実があります。そもそもコンドロイチンは関節軟骨基質の一部であるプロテオグリカンであり、いくら飲んでも血管やリンパ管が存在しないので、届くわけがないのです。

グルコサミンも同じようにCM等で見かけますが、コンドロイチンと同じ商法と考えていただければよいと思います。 少々古い記事ですが、

最後にもう一度、結論です。「効能は期待できません」

一部のプラセボ効果(効果のないクスリを効果のあるクスリとして患者に投与すると,ときに心理効果により症状が軽減することがある、効果のこと)はあるかもしれませんが、実際の効果は期待できないと言って良いでしょう。

グルコサミンやコンドロイチンを推奨するサイトやブログは、商品を紹介して報酬を得ることを目的としたステルスマーケティングと思っていただいて良いでしょう。

 

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